Morikoの北海道生活

雪がほとんど降らない本州から北大に進学した男子大学生の日記です。

総合理系徹底解説③ 基礎科目編

こんにちは。


今回は、総合理系で移行点を稼ぐうえで非常に大きなウェイトを占める、「基礎科目」について紹介します。


基礎科目とは、北大の1年次学生に向けて開講される、数学や理科などの講義のことです。

教養科目の卒業要件46単位のうち16単位、総合理系の移行点参入科目38単位のうちなんと20単位を占めます。

1年生の基礎クラスによって担当教員が決まっており、教員によって授業の形態、課題の量、試験の難易度、成績の分布が大きく異なるため、いい成績を目指す際にかなりの運要素が絡んできます。

主題別科目や総合科目とは異なり、どんな成績をとっても必ず移行点に算入されてしまう科目がかなりあります。

総合理系を攻略するためには、それぞれの科目の特徴を知っておき、場合によっては捨てる覚悟も必要です。

数学

移行点には少なくとも4単位が算入されます。後期に開講される微分積分学Ⅱや線形代数学Ⅱは難易度が高いので前期でいい成績を狙うことをお勧めします。

微分積分学
主に学ぶ内容は、微分です。序盤はほとんど高校の復習から入るため、すぐについていけなくなるようなことは無いでしょう。徐々にテイラー展開や全微分偏微分など、新出の内容が出てくるため、そういったところで躓かないようにしましょう。高校までとは異なる大学特有の表現方法がたくさん出てくるので、早めに慣れてください。

線形代数学Ⅰ
この科目では、行列について学びます。高校では習っていないため、行列の性質や計算方法などの基礎的な内容がほとんどです。多くの人にとっては初めて触れる概念なので、理解が少し難しいかもしれませんが、線形代数学Ⅱに比べれば遥かにマシです。

微分積分学
主に積分について学びます。この科目も序盤は高校の復習ですが、結構難易度の高い置換積分をやることもあるので、計算慣れしておきましょう。
後半は重積分について学びます。多変数関数の積分です。線形代数学Ⅱよりは遥かに簡単です。

線形代数学Ⅱ
線形代数学Ⅰのさらに発展を学びます。線形写像固有値、対角化などです。抽象的な内容が頻出するため理解がかなり難しいです。私もまだほとんど理解できていません。期末試験でも証明問題が頻出します。線形写像であることを証明しなさいとか。
数学を苦手とする学生が回避する科目であるにも関わらず、基礎科目の中では群を抜いて落単者が多いです。
この通り基礎科目のなかでも難易度が高いので、この科目を無理に履修する必要はありませんが、工学部では専門科目でめっちゃ使うので、少しでも工学部に移行する可能性があるのであれば履修したほうがいいです。

物理学

物理学Ⅰ・Ⅱがあり、どちらも必ず移行点に算入されます。つまり、高校時代に生物選択だった人にとっては、相当不利な戦いを強いられます。並程度の努力では物理選択者に蹂躙されてしまうため、春休みや夏休みに予習をしておくことを強くお勧めします。

警告:
生物選択者は、物理では最低限の成績を取り、生物や地学で確実にA帯を狙う方が現実的です。

⑤物理学Ⅰ
学ぶ内容は、力学、波動です。基本的には高校物理の復習とその延長で、微分方程式などが登場するものの、物理選択者にとってはあまり苦しい内容ではないでしょう。大学入試のような、問題を解くための物理ではなく、現象を理解することを重視しているようです。

⑥物理学Ⅱ
熱力学・電磁気学を学びます。物理学Ⅰよりも難易度が高い印象です。特に電磁気学は、他分野に比べて新出内容が多く、油断していると物理選択者でも足をすくわれます。夏休みの間に予習をしておくと、他の総合理系勢と差をつけられるでしょう。

化学

化学も、Ⅰ・Ⅱの2つが必ず移行点に算入されます。物理学や生物学とは異なり、すべての学生が高校化学を履修済み前提で授業が行われます。化学に限ったことではありませんが、理科の科目は、担当する教員によってテストの難易度や授業の内容にかなり差が出るので、正直不公平だと感じることが良くありました。

⑦化学Ⅰ
量子化学を学びます。電子軌道などの理論から始まります。量子なだけあって理解するのは難しいかもしれません。私はエントロピーとエンタルピーの理解でつまずきました。

⑧化学Ⅱ
範囲は有機化学で、有機物の分子構造や、反応機構について詳しく学びます。化学反応式を暗記するのではなく、なぜこの反応が起こるのかを、論理的に理解できるようになる必要があります。

生物学

生物学Ⅰ・Ⅱのうち、少なくとも1つが移行点に算出されます。物理は2つとも移行点に含まれるのになぜ生物は1つだけなのでしょうか。しかも、暗記するだけで突破できる試験の場合も多く、物理選択者でもある程度戦えてしまうのがさらに格差を助長しています。

⑨生物学Ⅰ
細胞生物学を学びます。細胞小器官とか、遺伝とか。高校内容の復習に近いです。キャンベル生物学は高いし重いしで買いたくない人も多いかもしれませんが、キャンベルからテスト問題を作る教員が多いので、北12条書店のような古本屋からでもいいから買っておくことをおすすめします。

⑩生物学Ⅱ
ミクロな世界を学ぶ生物学Ⅰに対し、生物学Ⅱではよりマクロな範囲になり、生物の多様性がどのように生まれているのかを学びます。個人的にはこっちの方がイメージしやすくて勉強がはかどるかなと思います。

地球惑星科学

移行点や、卒業要件で必須というわけではありませんが、大半の学生は高校時代に地学を履修していないため、他の科目に比べて公平性が高いと言えます。内容も基礎的なので成績も取りやすいのでは。

⑪地球惑星科学Ⅰ

主に学ぶ内容は、地層、火山、地震などです。もうほとんど記憶にありません。

⑫地球惑星科学Ⅱ
主に学ぶのは、気象、宇宙です。基礎的であるとはいえ覚える量はかなりあるので、コツコツ復習しておかないと試験直前に痛い目を見ることになります。

実験科目

⑬自然科学実験
みんな大好き自然科学実験。物理、化学、生物、地学の4科目から2科目を選び、毎週の実験に加え、かなり重めのレポートを課せられます。全学教育科目の中でも最も面倒な科目の1つで、前期の情報学Ⅰと重なると徹夜が当たり前になるほどキツくなります。後期の場合は雪がすごいので、行くのが億劫になること間違いありません。
ほとんどの人は2科目の実験しか経験しないので、どれが一番面倒な科目なのか、という論争は絶えませんが、地学が最も楽で、物理・化学がキツイとされることが多いです。地学は人数が少ないので、地学の実験をやりたい場合は第1志望に書かないとまず落とされます。

⑭心理学実験
実験という名を冠していることから避けられがちな、後期限定の科目です。他の基礎科目とは異なり絶対評価なので、まじめに授業に出てレポートを出していれば比較的にA帯の評価を狙いやすいといえます。木曜の1,2限であることや、それにより地学Ⅱ(木曜2限)を履修することができなくなるなどのデメリットがあります。近年は移行点を稼ぎやすいカモ授業であることがバレて人気が上がり、抽選になることもあります。雪の中1限に遅れずに行ける自信がある人は取りましょう。


英語や基礎科目は教員による当たり外れが激しいです。第2外国語のように統一試験を実施すればいいのに。