こんにちは。
今回から本格的に総合理系の攻略法について話していきたいと思います。第1回目は、移行点とは何なのかについて解説していきます。
文字だけだとつまらないので意味もなく写真貼ってみました。
移行点って何?
移行点について説明する前に、GPAについて言及します。GPAとはGrade Point Averageの略で、履修した科目の成績にポイント(GP)を与え、次の式のように成績を評価する方法です。
{(GP×単位数)の総和}/総単位数
アメリカの学校で成績評価方法として使用されており、日本の多くの大学もこの成績評価方法を採用しています。北大ではA+,A,A-,B+,B,B-,C+,C,D,D-,Fの11段階評価を採用しています。各成績ごとのGPは次のようになっています。
履修したすべての科目の成績の平均ととらえてもらっていいです(正確には少し異なります)。
これに対して、移行点とは、すべての履修科目ではなく、特定の科目のGPの平均のことをいいます。つまり、すべての科目が移行点に使われるというわけではないんですね。そのため、工夫して履修すると、GPAよりもはるかに高い移行点を稼ぐことができます。
卒業要件単位数、進級要件単位数、移行点算出科目
卒業要件単位数・・・大学を卒業するのに必要な単位数
進級要件単位数・・・1年次から2年次に進級するために必要な単位数
移行点算出科目・・・移行点の算出に用いられる科目
大学の卒業のためには、学部ごとの専門科目に加えて、1年次に履修する一般教養科目を指定された単位数以上取得している必要があります。ほとんどの理系学部では46単位以上取得する必要があります。基本的にはこの46単位を1年生の間にすべて取りきるのが望ましいですが、46単位取れなかったからと言って即留年が決まるというわけではありません。進級要件単位数である32単位を取得すれば、一応2年生になることができます。
また、移行点算出科目の単位数は38単位です。つまり、移行点に使われる分だけぴったり履修すると卒業要件を満たさないので2年次以降に教養科目を履修する必要が出てきます。
また、46単位をただ取ればいいというわけではなく、あるグループの科目から〇単位、他のグループの科目から〇単位というように定められているのでそこは勘違いしないように注意してください。細かいところではあるのですが、移行点を効率よく稼ぐポイントになります。
卒業要件単位・移行点算出科目の内訳
ここからは卒業要件単位の具体的な内容について見ていきましょう。ただし、これは2021年度の話ですので、2022年度以降は制度が変わっている可能性があります。
1.総合科目・フレッシュマンセミナー
卒業のためには、これらに分類される科目の中から4単位以上修得する必要があります。医学部、獣医学部、歯学部に関してはそれぞれ2単位以上修得する必要があります。
様々な分野の講義を体験的に受けることができる科目です。実際に手を動かしたり、グループワークやプレゼンなどを行う講義が多い印象です。
移行点の算出に用いられるのは2単位のみです。
理系は事実上の必修科目が多いため、これが自由に選べる数少ない科目です。人気科目は抽選によって決定されるため、この時点で移行点のための情報戦と運ゲーが始まります。比較的成績評価が甘い講義が多いため、人気学科を志望する方は、少なくともここでA以上は狙ってください。
2.主題別科目
「思索と言語」「歴史の視座」「芸術と文学」「社会の認識」「科学・技術の世界」というカテゴリーに分かれた講義の中から、3カテゴリ以上6単位を修得する必要があります。医学部は、「社会の認識」「科学・技術の世界」それぞれ2単位を含んで修得する必要があります。
多くの分野の講義を受けられる点では、総合科目・フレッシュマンセミナーと似ていますが、こちらは座学がメインとなる授業が多い印象です。
移行点の算出に用いられるのは4単位です。
レポートによって評価する講義、期末テストにより評価する講義など様々なので、自分が最も有利そうな科目を履修できるよう、シラバスをしっかり確認しておきましょう。
3.外国語科目・外国語演習
・英語Ⅰ(1単位)、英語Ⅱ(1単位)合わせて2単位は必修
・英語技能別演習2単位は必修
・英語技能別演習以外の外国語演習科目から2単位
・第2外国語Ⅰ、Ⅱそれぞれ2単位は必修 合計10単位
移行点には外国語科目・英語技能別演習6単位を含む8単位が含まれます。とてもややこしいので、できる限りわかりやすく説明します。
英語技能別演習2単位は必ず移行点に含まれます。
外国語科目のうち、少なくとも4単位が移行点に含まれます。外国語科目とは、英語Ⅰ、英語Ⅱ、第2外国語を指します。第2外国語は前期、後期2単位ずつ履修できます。つまり外国語科目は6単位までしか履修できません。この6単位のうち4単位が必ず移行点に含まれます。
それらに加えて、外国語演習の中から最大2単位が移行点に含まれます。外国語科目の成績が良ければ、外国語演習が移行点に含まれないこともあります。
英語Ⅰは配属したクラスや出席番号によって教員が振り分けられます。その授業方法は教員によって大きく異なり、クッソ楽な授業をする教員もいますし、超スパルタな教員もいます。完全に運ゲーです。有名な教員は、「サザンドラ」「レジギガス」のようなあだ名をつけられて恐れられています。
〇英語Ⅱ
Call授業と呼ばれるオンデマンド型の授業になります。成績は春に受検するTOEFLと期末試験、授業内活動を合計した絶対評価により決まります。唯一の完全平等な授業科目です。
〇英語技能別演習
英語Ⅱで受検したTOEFLの成績によって、初級、中級に分けられます。この授業は好きな講義を選ぶことができますが、人気な教員の授業は抽選になります。
〇第2外国語
ドイツ語、フランス語、ロシア語、スペイン語、中国語、韓国語の中から1科目選んで履修します。科目を選ぶのは入学前です。入学に関する書類と一緒に希望調査票が送られてくるはずです。どの言語が楽でどの言語がキツイかは論争が絶えません。自分に合いそうな言語を選んでください。
〇外国語演習
その名の通り外国語の演習です。私が受けた講義は特定のテーマの論文を読んで、それを解説するというような授業でした。B-つけられました。英語だけでなく、第2外国語の演習もあります。
4. 共通科目
・情報学Ⅰ(2単位)は必修
・それ以外の共通科目から2単位 合計4単位
情報学Ⅰは北大総合理系の名物講義(笑)です。Word、Excel、Physon、html、情報リテラシーなどについて簡単に学びます。与えられた課題をちゃんとやればいい評価を得られます。
他の共通科目
〇体育学A・・・ただの体育です。何かのスポーツをやります。抽選になる可能性が高いです。対面でやれれば友人もできるでしょう。この科目は1単位です。
〇体育学B・・・保健です。レポート課題がたくさん出るらしいです。
〇情報学Ⅱ・・・プログラミングあるいは、データサイエンスについて学びます。情報学Ⅰと比べて難易度が急激に上がることで有名です。
〇統計学・・・統計学について学びます。高校数学の「データの整理」の延長です。気づいたら難しいことやってて詰みます。
移行点には共通科目から4単位が含まれます。情報学Ⅰが必ず含まれるというわけではありません。
5. 基礎科目
微分積分学Ⅰ・Ⅱ、線形代数学Ⅰ・Ⅱ、物理学Ⅰ・Ⅱ、生物学Ⅰ・Ⅱ、化学Ⅰ・Ⅱ、地球惑星科学Ⅰ・Ⅱ(それぞれ2単位)から16単位つまり8科目の修得が必要です。それに加えて自然科学実験2単位が必修です。医学部、薬学部に関しては、物理学Ⅰ・Ⅱ、生物学Ⅰ・Ⅱ、化学Ⅰ・Ⅱが必修となります。
ここで注意したいのが移行点算出単位です。基礎科目のうち、移行点に算出されるのは、
微分積分学Ⅰ・Ⅱ、線形代数学Ⅰ・Ⅱのうち4単位(2科目)
物理学Ⅰ・Ⅱ両方
生物学Ⅰ・Ⅱのうちいずれか1科目
化学Ⅰ・Ⅱ両方
自然科学実験2単位
これらを含む20単位です。今記述した単位は合わせると16単位にしかなりません。卒業のためには、残りの4単位を基礎科目から余分に履修する必要があります。残りの基礎科目とは、数学の残り2科目、生物学の残り1科目、地球惑星科学2科目、心理学実験1科目、人文・社会科学の基礎(文系科目)を指します。
この基礎科目が移行点における鬼門であると私は考えています。基礎科目についてはくわしい解説を後日したいと思います。
自然科学実験は北大の中で特にキツイ科目として知られています。具体的には、物理・化学・生物・地学のなかから2科目の実験について各6回、計12回のレポートを書きます。中間テストや期末テストの期間であっても当然のごとくレポートを提出させられるので他の科目の成績に結構影響します。
移行点の稼ぐための重要なポイント
高い移行点を取りたいのであれば、すべての科目でA+を取ればよいのですが、それは現実的ではないですし、できることなら少ない労力でいい移行点を取りたいですよね。というわけで以下に移行点を上げやすくなるポイントをまとめてみました。
・必ず移行点に含まれる科目はいい成績を狙う
「必ず移行点に含まれる科目」とは、物理学Ⅰ・Ⅱ、化学Ⅰ・Ⅱ、自然科学実験、英語技能別演習のことを指します。
これらの科目は、他の科目でどれだけいい成績をとろうが移行点の算出に用いられてしまうので、もし単位を落とすなんてことがあれば、皆さんが思う以上に移行点が伸びなくなります。
高校の時に生物選択だった方は、特に物理学を落とさないように注意する必要があります。
・自分の得意な成績評価形態の科目を履修する
北大の全学教育科目の成績評価形態は大きく分けて2つあります。テストにより評価する形式と、レポートにより評価する形式です。どちらが得意かは人によって異なると思うので、シラバスを確認して、自分の得意な成績評価の形式の授業を受けることを心がけましょう。
しかし、残念なことにほとんどの科目はクラスや学生番号により教員が決まっているので、基礎科目と共通科目に関しては諦めましょう。
・成績分布を確認する
北大は、授業の成績評価の分布を公開しています。それを確認することで、極端に甘い、あるいは厳しい評価をつける授業などを事前に確認することができます。特に最上位の学科を目指す場合、A+を多くの人にくれる科目を探すとよいと思います。A+を絶対に上げないマンが一定数居るのでそういった教員は避けましょう。
しかし、このサイトはめちゃくちゃデータが見づらいことで有名です。そのかわりに、北大生応援メディアJagaJagaさんが運営しているiNAZOというサイトがあります。当局非公認ではありますが、すごく使いやすくて便利です。これを運営してくださっているJagaJagaさんには感謝が絶えません。
↓URL 成績分布検索サービス iNAZO
https://inazo.hu-jagajaga.com/?msclkid=fb61b010af7111ecba2ba18865392fa5
いかがでしたでしょうか。深夜テンションで書いているのでわかりにくい部分があったかもしれません。これから修正も重ねていく予定ですのでご了承ください。総合理系は情報戦ですので、正しい情報をしっかり見極めて希望の学科に行けるように頑張ってください。
北大生YouTuberがたまに総合理系のシステムについて語っていますが、結構誤った情報を流していますので気を付けてください。もしかしたら私も誤ったことを書いているかもしれません。基本的には北大の公式情報を確認するようにしてください。
次回は、間違いやすい学部移行のシステムについての記事を書く予定です。