こんにちは。
今回は北海道大学の総合理系(総合入試)制度がどのようなものなのかを簡単に解説していきたいと思います。
総合理系とは
北海道大学理系の前期入試では、ほとんどの学部で総合入試制度がとられています。これは、1年生の間は総合教育部の学生(ただの理系学生)として一般教養科目を学習し、その成績によって、2年次に好きな学部学科に移行できるというものです。
この制度の最大のメリットは、高校生の時点で学部を決める必要がないということです。一般的な大学では、入学時点で学部が決まっており、そこに入学後、
「思ってたことと違った…」
「別にやりたいことができた」
となっても取り返しがつきません。そもそも大学のことをほとんど知らないのに、高校生が将来を左右する選択をしろ、なんて酷な話ですよね。
しかし、総合入試制度なら大丈夫。大学での講義をある程度経験した上で、自分のやりたいことは何なのかを、1年かけて考えることができます。似たような制度を持つ大学として東京大学が挙げられますが、東大は理科三類なら医学部、理科二類なら薬学部、のように、ある程度進学しやすい学部が決まっているのに対し、北大の総合理系では、入試方式ごとに移行しやすい学部が決まっていることはありません。
重点入試制度
総合理系には重点入試という入試方式があります。数学、物理、化学、生物のうちいずれかの配点を大きくすることができる制度です。配点は次のようになります。
得意な科目の配点を増やしたり、苦手な科目の配点を減らすことができるので、自分に最も有利な状態で受験できます。
北海道大学の公式サイトで各重点ごとの合格最低点や合格者平均点を見ることができます。数学重点は共通テストの平均点が他の重点と比べて低めの傾向があります。共通テストの成績が良くなかったが、配点の高い数学で逆転しようとする受験生が多いのではないかと考えられます。
フレッシュマンセミナー
総合理系で北大に入ったけど、やりたいことが見つかっていない…そんな人が学部を決める上でとても役に立つ授業があります。それがフレッシュマンセミナーです。
これは様々な学部学科の学習内容をお試し感覚で学ぶことができる科目です。医学部、工学部、水産学部、法学部…全部ありますし、それぞれかなり種類が豊富です。5個も6個も履修するのは難しいですが、あなたの将来を決める上で役に立つこと間違いありません。いろいろな学部の授業を受けられるのも、総合理系のメリットですね。
私の年の例をいくつか挙げておきます。
- 量子ビームとプラズマ応用の世界(工学系)
- 未来の農業-環境調和とIT-(農学系)
- マーケティングへの招待-流行をデザインする-(経済系)
- 工学的創成実験Ⅱ(機械学習するコンピュータ・動きを制御するシステム制御)(情報系)
- 極域海洋学入門-流氷を科学する-(理学系)←北大ならではですね
- 格差の社会学入門(文学系)
- 動物のからだ(獣医学系)
- 巨大津波は北海道を襲うか(理学系)
他にどんな授業があるか知りたいと思う方は、「北海道大学 高等教育推進機構 総合教育部」のサイトの「全学教育科目シラバス」の欄をご覧ください。全学教育科目一覧のPDFがあるはずです。
そんな感じで今回は終わりにしようかと思います。え?総合理系のいいことしか言ってないじゃんって?ご安心ください。総合理系の圧倒的デメリットとそこでの闘い方は後日お話ししようと思います。